📖店長ブログ
韮崎市のご家庭で2020年製 パナソニックの縦型洗濯機NA-FA80H8を分解クリーニングしました。購入して3年弱ですが洗濯中に黒いカスが出てくるようになったとのことでご依頼いただきました。
↑パナソニック NA-FA80H8 2020年製 洗濯容量8.0kG
↑パルセーター(渦を作る回転翼)を最初に外します。これが取れなかったらその先の分解ができないため動作確認後 止水し電源プラグ、給水ホース、アースを取ったら最初にパルセーターを外す作業をします。固定ネジが洗剤カスや他の汚れなどで固着してしまい 電動ドリルを使ってもネジが回らないことが稀にあります。ネジビットは#3番を使います。それより小さいとネジのミゾを舐めてしまい取れなくなってしまいます。
↑パルセーター裏 カビ、水垢、洗剤カスなどが強く付着しています。裏側中央のワッシャーを無くさないよう注意します。
↑上部パネルを固定する両サイドと背面のビスを取り 右後ろの配線に余裕を持たせるためプッシュマウントタイ(頭が矢じりタイプの結束バンド)を2箇所解除し上部パネルを後方に立ち上げます。上部パネルの手前内側に2箇所爪が入り込んでいるのでそれをズラさないと立ち上がりません。背板の亜鉛鉄板も外しておき組立の時、プッシュマウントタイを元の穴に取付ます。上部パネルが閉まらないよう特注支持ステーで固定します。つづいて洗濯槽カバーを取ります。
洗濯機の鋼板の端部は切りっぱなしのため指や手のひらの一部を切ってしまい出血することがあるので注意して作業します 。
↑脱水槽ドラムを固定する38㍉6角金具を専用工具(ハンマーレスフランジナット回し)で緩め外し脱水槽ドラムを抜き出します。水平方向にハンマーで叩く感じで着脱します。非常に高い金属音がしますのであらかじめお客様にその旨お知らせしておくとお客様に不安を抱かせません。
↑脱水槽の固定金具 この金具はものすごく固く締まっています。高速回転する脱水槽を支えているので取付する時に締め付けが甘いと脱水槽がブレてしまい異音がでます。38㍉の6角金具の下に特殊なハット型ワッシャーもあります。正6角形ではないこのワッシャーも軸に固く嵌っていて外すのに苦労することがよくあります。正6角形にしてハンマーレスフランジナット回しを使えるようにして欲しいと常々思っています。
この金具を外したあとも難題が待ち受けていることがあります。脱水槽ドラムが真ん中の軸に固着していて手で引き上がらず、ギアプーラーを使おうとしても爪が脱水槽ドラムの下に引っかからないものがあります。薄い金属プレートを脱水槽ドラムの下に滑り込ませギアプーラーの爪をそこに引っ掛けて外します。パナソニック製は大変。
↑脱水槽ドラム カビ、洗剤カス、水垢などで汚れています。当店は分解したパーツの洗浄に浴室はお借りしません。お客様の気持ちを考え 汚れたものを浴室でクリーニングしません。使用後は元のようにするからと言って浴室で各パーツをクリーニングしている業者さんがたくさんいますが自分とは考えが異なります。お客様のためではなく自分が都合いいためなのです。運ぶのも近いし温水シャワーも使えるので作業するひとは楽ですが 大半のお客様は「浴室を使われることはあまりいい気分ではない」と言います。多少面倒でも自分が屋外で作業している理由です。
↑洗濯槽も厳しく汚れています。カビ、水垢、洗剤カスなどでヌメリがあります。
↑脱水槽ドラムの裏底の汚れ
↑脱水槽ドラムのクリーニング後 ピカピカの輝きが戻りました。
↑脱水槽ドラム裏底のクリーニング後 底はプラスチックです。強度を高めるため凹凸形状になっていてその部分に汚れが付着しますが とてもキレイになりました。
↑パルセーター裏のクリーニング後 ご覧のように汚れは一掃されました。
↑洗濯槽のクリーニング後です また気持ちよく洗濯をしていただけます。
↑組立、動作確認
【あとがき】
市販の洗濯槽クリーナーを時々使用なさっているとのことでしたが ご覧のような汚れでした。除菌クリーニングという脱水槽ドラムを抜き出さないでクリーニングするというやり方をする業者がありますがここまでキレイになりません。エアコンと同じように2~3年毎の定期的な分解クリーニングをお勧めします。
明日、明後日は地元の道祖神祭りとお燈篭祭りの準備のため仕事はお休みします。その後8/24(木)まで検査入院することになり仕事お休みです。すみません。
ブダペストの世界陸上が明日から始まります。大学の後輩が3名参加しますのでテレビ観戦します。